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津村記久子『ポトスライムの舟』

津村記久子さんによる、芥川賞受賞作。
ワーキングプアの若い女性を描いた作品で話題になった。

主人公のナガセは、化粧品の製造工場につとめる若い女性。
手取りの年収が163万円という厳しい状態の中、ダブルワークをしながら日々頑張って働いている。
そんなナガセは、働くことに希望を見出せなくなり、
ふと目にとまった「世界一周旅行」が自分の手取り年収とほぼ同じであることに気づき、
何とかその金額を貯めてみようと思い、貯金に励む。

ナガセを取り巻く友人には色々な人がいて、
苦労を知らない幸せな主婦もいれば、夫のモラハラに耐えられなくなり子連れで離婚を決意する主婦もいる。
ナガセは憂き目に遭っている友人達に交通費を貸してやったり、友人に奢ってあげたりしてしまう。
そうすることで、目標が遠のいてしまう日もあった。

お金の用途は色々だ。夢を買うことだってできる。
しかし、ナガセが最終的に気づいたのは、世界一周の夢というよりも、健康の有難みや、家族や友人とのささやかな幸せの日々だった。

作品の展開や文体は落ち着きすぎてあまり魅力を感じなかったが、テーマはとても素晴らしかった。

書店のレビューなどを読むと、「実家住まいで、どこがワーキングプアなのか分からない。もっとひどい状況の人は他にもいる」とあるが、ナガセか母親が体調を崩してしまえば、とたんに生活ができなくなる非常に危うい状況だ。家屋もいつまで持つか分からない。いずれは大きなメンテナンスが必要になるだろう。

読んでいてとても怖くなった作品である。

 


プロフィール

柚木みやび

Author:柚木みやび
柚木みやびの日記&エッセイ。 2006.11.9~ 
Copyright(c) Miyabi All Rights Reserved.
(プロフ画像はしいたけさんの絵本から拝借しています)


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