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村山由佳『ダブル・ファンタジー』
高校時代から村山さんのファンだった私。
島清恋愛文学賞 、第4回中央公論文芸賞、第22回柴田錬三郎賞の三賞を同時受賞した、話題の本作を読んでみた。

主人公の奈津は、35歳の売れっ子脚本家。
夫との生活に嫌悪感を覚え、自由を求め、同時に六人の男性と関係する。

個人的には、草食系男子風の岩井が、村山さんの作品の中では新しいタイプのキャラクターで、
穏やかでずるくてそのくせ生真面目で、なんだか読んでいて好もしい人物だった。
香港の観光シーンは、旅先での開放感が見事に表現されていたと思う。

今までの純愛路線の作風に反して、「官能小説」「性愛小説」と評されることが多いこの作品だが、
筆者の表現力は相変わらず素晴らしく、主人公に感情移入することができた。
そんなにいやらしい感じもなかった。

長年連れ添った夫と離婚し、田舎で野菜や花を育てる生活とも決別した筆者の私生活と重ねて読んでしまうのはあまり良くない事なのだろうが、
自分の私生活を犠牲にする覚悟がなければ、ここまでの作品は書くことはできないだろう。
その作家魂を、凄いと思う。私には真似出来ない。

まだ女ざかりの35歳。一人の男に縛られずに、「女」としての人生を楽しむ……。

奈津の生き方に羨ましさを抱く部分もあるが、退屈と安定、自由と孤独はまた表裏一体のものなのだということを感じた作品だった。


プロフィール

柚木みやび

Author:柚木みやび
柚木みやびの日記&エッセイ。 2006.11.9~ 
Copyright(c) Miyabi All Rights Reserved.
(プロフ画像はしいたけさんの絵本から拝借しています)


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